はじめに:防災センターは「見る」「学ぶ」「体験する」防災教育の拠点
地震・火災・台風・津波など、
日本は年間を通して自然災害が多発する国です。
その中で、「防災センター」は、災害のメカニズムを学び、実際の体験を通じて命を守る行動を身につける施設です。
「防災センターでは何ができるの?」
「近くの防災センターはどこにある?」
「子どもでも学べる?」
この記事では、全国の防災センターの特徴・活用方法・人気施設などを、初心者でもわかりやすく解説します。
もくじ
防災センターとは|目的と役割
防災センターの定義
防災センターとは、地震・火災・風水害・津波などの災害体験や避難訓練を行える学習施設です。
国や自治体が運営する公共施設が多く、学校や企業の団体利用も可能です。
主な役割
- 災害体験(地震・火災・煙避難・消火体験など)を通して防災意識を高める
- 災害時の行動判断(避難・救助・連絡など)を学ぶ
- 地域住民や子どもに防災教育を行う
- 企業や学校向けの防災訓練・BCP教育を実施
防災センターで体験できる主なプログラム

地震体験コーナー
震度1〜7までの揺れを再現。阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの地震を体験でき、家具の転倒防止や身の守り方(ダンゴムシポーズなど)を学べます。
消火・煙避難体験
- 消火器の正しい使い方をシミュレーション
- 室内に人工煙を充満させた「煙避難体験」で、姿勢の取り方を学習
実際の火災現場を再現することで、いざという時の行動判断を訓練できます。
台風・暴風体験
大型ファンや風洞装置を使い、風速30m以上の暴風を体験。
飛来物の危険や屋外行動のリスクを体感し、屋内避難の重要性を理解できます。
防災シアター・映像学習
実際の災害映像やドキュメンタリーを上映し、防災・減災への意識を高めます。子ども向けのアニメ版教材もあり、親子で学習可能です。
防災グッズ・備蓄展示
防災リュック、非常食、簡易トイレなどの展示販売や、「家庭での備え」チェックリストを配布している施設もあります。
防災センターの種類と運営主体
| 種別 | 主な運営者 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公共防災センター | 都道府県・市区町村 | 無料または低料金で利用可能 |
| 消防局併設型 | 消防署・消防局 | 火災体験・消火訓練に強み |
| 民間防災センター | 企業・団体 | 企業向け防災教育、BCP対策 |
| 学校・大学附属 | 教育機関 | 防災研究・地域連携活動 |
全国の主な防災センター紹介
東京:本所防災館(東京消防庁)
- 所在地:東京都千代田区大手町一丁目3番5号
- 特徴:首都圏最大級の体験施設。地震・火災・暴風体験などが無料。
- 予約:公式サイトから事前予約制(団体も可)
👉 東京消防庁 本所防災館
大阪:大阪市立阿倍野防災センター
- 所在地:大阪市阿倍野区阿倍野筋3-13-23
- 特徴:地震再現装置、津波避難体験、VR避難体験など最新設備を導入。
- 子どもから高齢者まで人気。
👉 阿倍野防災センター
名古屋:名古屋市港防災センター
- 所在地:愛知県名古屋市港区港明1-12-20
- 特徴:伊勢湾台風の再現展示が有名。地域防災の歴史を学べる。
- 防災シミュレーションゲームも人気。
👉 名古屋市港防災センター
仙台:仙台市民防災センター
- 所在地:宮城県仙台市泉区泉中央2-1-1
- 特徴:東日本大震災の教訓展示や避難所体験コーナーあり。
- 被災体験の語り部イベントも開催。
👉 仙台市民防災センター
防災センターを利用するメリット

1. 災害時に「自分の命を守る行動」が身につく
知識だけではなく、体験を通じて行動スキルが身につきます。
2. 子ども・家族で学べる
親子で楽しく学べるため、防災意識の「家庭内伝承」に最適。
3. 企業の防災教育・BCP訓練に活用可能
企業研修としての利用も増加。
災害時の指揮命令系統・連絡手段の確認訓練に役立ちます。
4. 無料・低料金で学べる公共性
多くの防災センターは入館無料。
気軽に行ける“防災学びの場”として人気です。
防災センターを探す・予約するには
方法1:自治体の公式サイトで検索
「〇〇市 防災センター」で検索すると、地元施設の詳細が表示されます。
方法2:Googleマップで検索
「防災センター」「防災体験施設」と入力すると、現在地から最寄りを表示。
方法3:防災関連ポータルで調べる
- 防災科学技術研究所「防災施設検索」
- Yahoo!地図「防災体験施設特集」
予約方法
多くの施設は事前予約制(Webまたは電話)です。
団体・学校の場合は1か月以上前の申請が必要な場合があります。
防災センターと企業・学校教育の連携
🏢 企業との連携
- BCP教育(事業継続計画)の実践訓練
- 安否確認システムの導入講座
- オフィス避難訓練・初期消火訓練
🏫 学校教育との連携
- 小中学生の社会科見学・防災授業
- 地震・火災避難訓練と組み合わせた学習体験
- 災害発生時の心理的ケア(防災メンタル教育)
防災センターと防災グッズの関係
多くのセンターでは、防災リュックや非常食、簡易トイレなどの展示販売を実施しています。
見て、触れて、試すことで「自分に必要な備え」がわかります。
体験後に見直したい備えリスト
- 家族人数分の水と非常食(3日分)
- モバイルバッテリー・ラジオ
- 救急セット・常備薬
- 懐中電灯・簡易トイレ
体験 → 理解 → 行動 に結びつける流れが、真の「防災意識の定着」につながります。
今注目の「デジタル防災センター」構想
近年では、AR・VR技術を使ったデジタル防災センターの開発も進んでいます。
- VR地震体験(家庭や学校でも可能)
- メタバース防災訓練
- AI防災ナビによるリスク可視化
オンラインでも学べる時代が到来し、「リアル+デジタル」のハイブリッド防災教育が注目されています。
まとめ|防災センターを通して「体験から学ぶ防災」を広めよう
防災センターは、単なる見学施設ではなく、命を守るための“行動教育の場”です。
自分や家族、同僚、地域のために、年に一度は防災センターを訪れ、防災スキルを磨いておきましょう。
災害は止められない。
しかし、「備える力」は、誰にでも育てられます。






