はじめに:今注目される「防災国体」とは?
「防災国体(ぼうさいこくたい)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、防災・減災の取り組みを全国規模で共有し、地域防災力を高めるための大規模な交流イベントのことを指します。
正式名称は「防災推進国民大会(ぼうさいすいしんこくみんたいかい)」で、防災関係者の間では通称として「防災国体」と呼ばれています。内閣府が主催し、全国の自治体・企業・NPO・大学・市民団体が参加して、毎年テーマを変えながら「防災・減災・共助」のあり方を学び、体験できるイベントです。
この記事では、「防災国体って何をするの?」「どこで開催されているの?」「参加するとどんな学びがあるの?」という疑問を丁寧に解説します。
防災に関心のある企業、教育機関、個人にとっても非常に有益な大会です。


もくじ
防災国体の正式名称と目的
正式名称は「防災推進国民大会」
「防災国体」は、内閣府が主催する「防災推進国民大会(Bousai Kokutai)」の略称です。
毎年、全国各地の都市で開催され、防災分野に関わる人々が一堂に会します。
開催の目的
- 防災・減災の知識共有
各地での取り組み事例や新技術を発表・展示し、知見を全国に広める。 - 官民連携の強化
行政・企業・NPO・教育機関が連携し、災害対応の枠組みを強化。 - 市民参加型の防災意識向上
体験型イベントやシンポジウムを通じて、一般市民が防災の大切さを学ぶ機会を提供。
防災国体の歴史と開催地
防災国体の始まり
防災推進国民大会は、2016年に初めて東京で開催されました。
その後、毎年異なる都道府県で開催されており、地域ごとの防災課題や復興経験を共有しています。
🗾 主な開催地一覧(例)
| 年 | 開催地 | 主なテーマ |
|---|---|---|
| 2016年 | 東京 | 災害に強い社会づくりの推進 |
| 2017年 | 仙台 | 東日本大震災の教訓を未来へ |
| 2018年 | 東京(有明) | 防災×テクノロジー |
| 2019年 | 名古屋 | 自助・共助・公助の再定義 |
| 2020年 | オンライン開催 | Withコロナ時代の防災 |
| 2021年 | 神戸 | 復興30年・地域防災の継承 |
| 2022年 | 福岡 | 若者と防災 |
| 2023年 | 横浜 | 多様性と共生の防災 |
| 2024年 | 東京・有明 | 地域と企業の連携強化 |
毎回、開催地の特性に合わせてテーマが設定され、地域課題に即した議論や展示が行われています。
防災国体で行われる主なプログラム
防災国体では、専門家向けのシンポジウムから一般参加型のワークショップまで、多彩なプログラムが用意されています。
主な内容
- 基調講演・パネルディスカッション
防災の専門家・行政担当者・企業経営者が登壇し、最新の取り組みを発表。 - 体験ブース・展示会
防災グッズ、避難システム、ドローン活用、防災教育教材などを展示。
来場者は実際に触れて体験できます。 - 学生・若者の参加プログラム
防災学生団体の発表や、子ども向け防災クイズラリーなども開催。 - 自治体・企業ブース
地方自治体や企業による地域防災モデル、CSR活動の紹介。 - ボランティアネットワーキング
災害支援団体が連携するための交流セッションも実施されます。
防災国体が注目される理由
官民連携の新しい形
従来、防災は行政中心でしたが、防災国体では企業や市民の参加が主役。
たとえば、企業のBCP(事業継続計画)や防災用品メーカーの展示、自治体との協定発表などが行われます。
テクノロジーの導入
AI・IoT・ドローン・衛星通信・防災アプリなど、最新テクノロジーを活用した災害対策の実例が多数紹介されます。
災害経験の「継承」
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの経験を
「語り継ぐ場」としても大きな意義があります。
参加するメリット|個人・企業・自治体それぞれの利点
🧍 一般参加者の場合
- 最新の防災知識を学べる
- 防災グッズ・避難の実践体験ができる
- 家族や子どもと楽しく学べる
🏢 企業の場合
- CSR・BCPの取り組みをPRできる
- 他社・自治体とのネットワークづくり
- 新商品・技術の発表の場として最適
🏛️ 自治体・教育機関の場合
- 他地域の防災事例を共有
- 若者・地域団体との連携強化
- 市民防災啓発活動のヒントを得られる
防災国体の最新動向(2024〜2025年)
2024年以降の防災国体では、以下のようなテーマが注目されています。
💡 テーマ例:
- 「地域×企業でつくる防災の未来」
- 「災害弱者支援と共生社会」
- 「AI・データで変わる防災」
- 「気候変動と防災教育」
また、オンライン配信の活用により、全国どこからでも参加できるようになりました。
SGEやSNSでも「#防災国体」が話題になり、若い世代の関心も急速に高まっています。
防災国体に参加・情報収集するには?
公式サイト
SNS情報
- X(旧Twitter):@bousai_kokutai
- Instagram・YouTubeでもライブ配信・講演アーカイブを公開中
ボランティア・出展案内
企業・団体として出展したい場合は、
毎年5〜6月頃に公募が開始されます。
展示ブースやセッション提案を行うことが可能です。
まとめ:防災国体は「未来の命を守るための国民運動」
「防災国体(防災推進国民大会)」は、防災を“自分ごと”として考えるための全国的なプラットフォームです。
行政・企業・市民が垣根を越えて知恵を出し合い、命を守る文化をつくる場と言えるでしょう。
防災は特別な人だけの活動ではなく、一人ひとりが「自分ができることを行動に移す」ことが何より大切です。







